Useful-Information お役立ち情報 SFA/CRMを「手間なシステム」からビジネスパートナーに変える方法<記事>

INDEX

1.SFA/CRM導入は効果を生むのか
2.SFA/CRMの成功と失敗を分ける「魔法の玉手箱」意識
3.SFA/CRMの本来の役割
4.SFA/CRMへの入力が「手間」と感じてしまう理由
5.SFA/CRMが「手間なシステム」ではなくするために
6.まとめ:「あるべき姿」と「SFA/CRM」

 

1.SFA/CRM導入は効果を生むのか

 

  • SFAの導入が、すべての営業組織の効率化を実現
  • SFAを導入したら、すべての営業組織で業績が向上

このようなことが実際におこるのであれば、推進担当者や担当部門の苦労が報われると共に、営業部門や営業パーソンにとってもより働きやすくなり、SFA導入の姿として成功と言えるでしょう。
実際に、導入した組織が上記のような恩恵を受け、効率化だけではなく業績の継続的な向上を続けているというケースはあります。
ところが、すべての組織で導入が成功に繋がっているわけではありません。

◆「導入したことで手間だけが増えた」「上司や担当部門に指摘されないように形だけでも入力しておこう」と苦心している営業現場

極端な事例ではありますが、営業現場での運用方法が原因で、SFAの活用がうまくいかないケースが多くみられます。さらに分析すると、SFA導入後に現場で共通している意識が存在していることがわかりました。

 

2.SFA/CRMの成功と失敗を分ける「魔法の玉手箱」意識

「DX」というワードが時代を席捲し、その潮流に乗り遅れまいと各企業の営業部門でも「営業DX」を謳いました。SFA/CRMの導入が当たり前のように騙ったことでしょう。また、現存するSFA/CRM的な仕組みを古いと断じ、さも革新であるかのような料簡で違うSFA/CRMに入れ替えをした組織もあるかもしれません。
確かに機能的には大変優れています。その効果性を享受した後の姿に企業として大きな期待をかけ導入を決断された事でしょう。
では何故優れた機能の効果を享受できていないのか。

SFA/CRMの導入自体 ≠ 効率化・業績向上

SFA/CRM自体を「魔法の玉手箱」として扱ってはいけません。SFA/CRM自体はスペックの高いものですが、自社の効率化・生産性につながる仕組みを考えて活用しなければ意味のないものとなってしまいます。

 

3.SFA/CRMの本来の役割

SFA/CRMの役割を考える際、ダイエットのために高機能な体重計を購入する事をイメージ頂くと分かりやすいと思います。
体脂肪率やBMI、血糖値測定などという付加価値機能ばかりに気を取られていませんか?ダイエットという目的に対して何をすべきかを意識できていなければ意味がありません。

漫然と測定しても、うまくいかないのは、下記のことを想定できていないからです。

  • ダイエットで設計した目標体重に対して、現状どれほど減量できているか?
  • 減量のペースが順調でないとき、改善するために運動量や食事量をどのように調整すべきか?

高機能体重計を購入したからといって痩せる事はありません。
そもそも行動が無ければ、ダイエットが成功することはありません。

行動がどのような成果としてあらわれるのか、それが自分の目的と合致しているのか計測し改善しなければ本来の目的とは外れた結果に陥ります。
企業にとってSFA/CRMの導入と営業活動との関係はダイエットと高機能体重計の購入の関係に酷似しています。

◆痩せる為の行動=営業活動
◆付加価値のある測定機能=営業のマネジメント

ダイエットという目的に対してどのように運動し食事制限することが理想的なのかを考え(営業としての目指すべき理想像)、実際に行動(営業活動)し、高い機能を駆使して測定(営業マネジメント)を行い、その結果を受けて行動を変容・改善を繰り返す(自社のあるべき営業活動へ修正)ことで初めて痩せる(売上を上げる)というメリットを享受することができます。

SFA/CRMのとても便利で効果性の高い「本来の役割」を発揮するために、下記のようなプロセスが肝心です。

1)営業目標を達成するための仕組みづくりおよび、成功につながる理想の営業像を考える
2)営業活動のデータを基に測定
3)測定結果から目標達成に向けた効果性の高い営業活動の方法を導く
4)その効果性の高い営業活動をもって行動する事を繰り返す
5)売上が上がる

上記のような「自社・自部門にとってのあるべき営業活動」と「マネジメント」のプロセスと「SFA/CRM」が直結していることが重要となります。
しかし、「営業活動上のプロセス・マネジメント」と「SFA/CRM」を直結して考えられない企業も少なくありません。
その結果、ただ目的もなく「SFA/CRM」へ入力するだけで成果も出せず徒労に感じてお困りの方も多くいらっしゃいます。
ではどうすれば、手間を感じることなくSFA/CRMに入力することへの抵抗感を減らせるでしょうか?

 

4.SFA/CRMへの入力が「手間」と感じてしまう理由

そもそもSFA/CRMへの入力が「手間」と感じてしまう理由は、「営業活動などの主業務」と「SFA/CRMへの入力作業」が分断されている点です。
この分断により発生するのが「手間」という感情です。「SFA/CRMへの入力作業」をすることで営業目標の達成につながる感覚があれば「手間」という感情は発生しません。
「SFA/CRM」をうまく活用できていないと感じている企業のマネジメントする立場・される立場のどちらでも「手間」を感じやすい傾向があります。
上司目線で言えば、「SFA/CRM」でマネジメントを一括管理したいと考えているのに、従来のマネジメントと「SFA/CRM」を活用したマネジメントを併用していることに「手間」を感じられるケースが少なくありません。
一方、部下目線で言えば成果につながりもしない「SFA/CRMへの入力作業」を上司にやらされているという感覚があるため「手間」と感じてしまいがちです。

 

5.SFA/CRMが「手間なシステム」ではなくするために

「SFA/CRM」へ入力していることが、普段の営業活動で即座に活用できたり、生産性につながる実感を持てたりすることが「手間」と感じさせない秘訣となります。

 

上司目線

例1)マネジメントの一括管理による効率化
エクセルなどで進捗案件リストを管理されているマネージャーの方も多いと思います。それと同時に部下が入力したSFA/CRMも確認するという二重管理は、マネージャーにとって大きな負担となっているでしょう。
しかし、二重管理しなくてもSFA/CRMさえ見れば即座に進捗管理ができるようになればいかがでしょうか。
SFA/CRMの更新ボタンを押せば、売上見込金額や、部下ごとの進捗確認がわかる表がアウトプットされれば、マネジメントの効率化につながります。

例2)部下に対する根拠あるアドバイス
いままで部下に直接進捗はどうなっているかを聞き、それに応じてアドバイスしていたことでしょう。それがSFA/CRMを通すことで根拠あるアドバイスをすることができます。
例えば、SFA/CRMから二日以内に対応すれば受注につながりやすい案件リストをアウトプットして部下に共有し「このリストを中心に活動してみればどうか」とアドバイスすれば、数字につながりやすい営業活動に部下が取り組める可能性が高まります。

 

部下目線

例1)営業目標を達成するためのアプローチリスト作成
期末が近づくと、ターゲットを絞らず商談件数を増加させようとする上司部下は少なくありません。
しかし、日頃入力している「SFA/CRM」から確度の高い商談先をリスト化したアプローチリストを作成することができればどれほど生産性が高まることでしょうか。
無駄な行動を減らし、効率的に営業活動できる可能性が高まります。

例2)顧客に対して即座に具体的なアクションプランを設計
商談を終えた直後は、ネクストアクションとして次回の商談までにすべきことが思い浮かびやすい状態にあると思います。
しかし、複数の顧客管理や商談を同時並行して活動する営業の方がほとんどでしょう。そのため、思い浮かんだネクストアクションを忘れがちになりやすいケースが少なくありません
顧客とのやりとりや、次回すべきことをSFA/CRMに入力し確認するプロセスを営業フローにあらかじめ組み込んでおけば、ネクストアクションへ自然と取り組むことができます。
たとえ数か月間やりとりをしていなかった顧客へ急に訪問することとなっても、「設計しておいた営業プロセス」と「SFA/CRMに記録されたこと」を確認すれば、即座に何をすべきかがわかります。

ここまで上司・部下目線の事例をあげてきました。
共通して重要といえるのは、「SFA/CRM」に入力する前に「目標達成するための理想的な営業像」に近づくためにすべきことをあらかじめ設計しておくことです。

 

6.まとめ:「あるべき姿」と「SFA/CRM」

「DX」という言葉が浸透し始めて、営業職の皆様にとっても「営業DX」という形で対応が求められるような時代になりました。
「営業DX」という言葉を聞くと、「ITスキルを身に着ける」ということが優先事項のように感じてしまわれるかもしれません。
しかし、それよりも優先して考えるべきことは、自分たちのビジネスがどのようにやるとうまくいくのかを整理することです。
あくまでも、SFA/CRMは自分たちのビジネスにおいてやるべきことを実行するためのツールです。SFA/CRMに記録したことが自分たちの「あるべき姿」を実現することに活かされなければ無用の長物となってしまいます。
決して「SFA/CRMを崇めて従う」という捉え方をすることなく、自らが主体者となって、一つのツールとして活用すべきです。
本記事では、SFA/CRMに対する捉え方を中心に解説しました。「あるべき姿」をあらかじめ設定し、ツールとして「SFA/CRM」を活用する方法に関しては、別の記事にて詳しく解説いたします。
※自社独自の「あるべき姿」の整理や構築の方法、「あるべき姿」を自社の独自性をもってSFA/CRMに落とし込む具体的な方法についてご興味がありましたら、ぜひ下記のソフトブレーン・サービスまでご要望ください。記事に掲載した内容を深掘りした上でアドバイスさせていただきます。お気軽にご相談ください。

 

 

 

講師プロフィール

宮田 純(みやた じゅん)
ソフトブレーン・サービス株式会社 シニアコンサルタント
一般財団法人 プロセスマネジメント大学 事務局長

1977年(昭和52年)、北海道出身。
大学卒業後、新卒で人材サービス会社に入社(営業職)。25歳で営業リーダー。30歳でBPO事業を立ち上げ、営業、業務設計、人員採用、業務マネジメント、PJT管理、一連の全ての業務を行い、事業化を推進。3年間で110名の事業本部となる。
その後、医療に特化した人材サービス会社に転職。営業部門の事業部長。72名のマネジメントを行い、業績向上、入社1年2ヶ月後のマザーズ上場に貢献。「遠隔診療」事業を立ち上げ、政府が推進している遠隔診療事業化のさきがけとなり、1年で正式な事業部のひとつとなる。続けて「看護・介護派遣」事業を立ち上げ、同じく1年で事業部となる。
上記の経験を活かし、ソフトブレーン・サービスに入社し、現在に至る。

頂いた個人情報は、ソフトブレーン・グループ内にて共有させて頂きます。ご了承の程、よろしくお願い致します。

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