ゲスト講師:筑波大学ビジネスサイエンス系 准教授 佐藤秀典氏
・データ取得方法:インターネット調査
・対象者:500回答の内、459が有効回答
・営業パフォーマンス/暗黙知に関する項目 1~7段階で回答
・スクリーニング(1):営業職の正社員かつ3年以上→暗黙知の観点
・スクリーニング(2):従業員規模:300名以上→引継ぎ業務の観点
・スクリーニング(3):業種:公的機関や農業や水産業を除いた業種→法人営業の観点
今回のキーワードになっている暗黙知と、その対義語になる形式知の意味について
暗黙知:言語化・文書化が難しい知識。言葉にはできないが知っていること。
例:自転車の乗り方
形式知:言語化・文書化できる知識。手順化、マニュアル化しやすい。
例:料理のレシピ、教科書など
今回のキーワードになっている営業職のパフォーマンス向上において、特徴は全部で3つ。
適応型販売行動:販売状況に関して知覚された状況に基づいて、販売行動を変更している。
・様々な営業アプローチを試している
・顧客毎に適した営業アプローチをする、
・状況に応じて営業スタイルを変える
顧客志向販売行動:見込み客の真のニーズをくみ取り、「この人に何を売ろうか」と考えるのではなく、「この人の問題を解決するにはどうしたらいいか」と考えている。
・お客様の目標達成に貢献することを心がけている
・顧客を満足させることによって、顧客の目標を達成しようとする
・お客様に最適な商品を提供しようとする
・どのような商品がお客様の役に立つかを考えようとする
営業自律性:担当の営業自身が、価格や営業スタイルなどを自身で決めることができる程度を有している。
・仕事の日程管理(いつまでにやるか)を任されている
・仕事のやり方(日程管理・方法・手順)を任されている
・仕事の目標・成果の管理(何を達成するか)を任されている
・商品・サービスの価格についての裁量権を持っている
・暗黙知とパフォーマンスには負の関係→パフォーマンスが高い人ほど暗黙知が低い
・これまでの研究では、管理職としての組織マネジメント力(パフォーマンス)には暗黙知との正の関係があったが、営業担当者としてのパフォーマンスにおいては、暗黙知が貢献せず、むしろパフォーマンスを下げる要因となっていることが特徴として出た。
★暗黙知だけに頼っている人は、言語化・形式知化をしている人と比べてパフォーマンスが低い。